仕事が好きとは(5) ~社外接客 考え方~
■自然体
今回は、「仕事が好きとは」というテーマの最終回です。
このテーマの原稿を書きながら気付いたこと。
それは「好き」という言葉に捕らわれがちなことです。
「好きにならねばならない」などという気持ちは、決して自然なことではありません。
自分の本来の気持ちとはズレているように思います。
では本来の気持ちとは、「好き」とか「嫌い」ということではなく、自然体ではないでしょうか。
よく行くスーパーのレジ担当の女性について気づいた点を書いてみます。
最初は『仕事を覚えよう』『お客様に気持ちよく買い物をしてもらいたい』という気持ちが言動になって表れていました。
ですが、半年くらいの間に仕事に慣れが生じてきました。
そしてお客様に対する新鮮な気持ちが薄らいでいったように感じます。
客を「さばく」という感覚に変わったのではないでしょうか。
傍から見ると、入社した時の方が、仕事を楽しくやっているように見えました。
ですが、半年経つと、初心の時に感じたお客様への思いが薄らぎ、毎日、ただその時間をこなすという気持ちに変わっていったのではないでしょうか。
そういう姿は、お客様に感動も与えなければ自然な振る舞いとも感じさせません。
自然体とは、何も考えないということではなく、その姿が自然に見えるということです。
またそのことが、周りの人に自然に、誰にも抵抗無く受け入れられるということです。
そして本人にしてみると、お客様のためにという感情が、自然に言動となって表れているということです。
そういう意味では、入社当時の方が、より自然体にお客様に見えていたのではないでしょうか。