接客の壺 接客徒然

心からの「ありがとう」無理に言う「ありがとう」  ~社外接客 考え方~

ある研修でのこと。

「もうだいぶ前の話ですが、〇〇社長と飲食店で食事をご一緒させていただいた時のことです。
その社長、従業員がお水を持って来たり料理を持って来たりする時、
必ずありがとうという声がけをしていました。
その姿を見て、すごいな~と感じました。
その時から「ありがとうございます」という言葉をどんどん言うようにしています」
というような話をしました。

その後、ある男性から質問を受けました。

「先ほどの話ですが、今まで「ありがとう」と言っていなかったのを、無理に言おうとしたんですね」
と。その男性の話は続き、
「子供がいるのですが、子供に「ありがとう」という言葉を言わせるようにしたいとは思っているのですが、
何かしてもらったら「ありがとう」と言わなくては駄目だよ、というのはおかしいと思っているのです」

他の受講者数名とともに、だんだん話の花が咲いていきました。
子供に、いかに「ありがとう」という言葉を言わせるようにするか、という点は置いておくとして、
この男性が言いたいのは、飲食店の従業員に、無理に「ありがとう」という声がけをしても、 そこには心が入っていないのではないか、ということなのです。

そこで次のように話をしました。

「無理に言おうということではなく、
「ありがとう」という感謝の気持ちが足りなかったということに気付いたのです。
ですが言い慣れていないのでなかなか言えません。
そこで意識して、言うようにしたのです。
ではその言い方に心が入っていないかというと、そうではありません。
感謝の気持ちを伝えたいからこそ、声に出して言いたい。
でも言い慣れていないので、なかなか言葉がスムーズに出てこない。
ですが言うことで自分の気持ちに、より素直になれたようにも思えるのです」

この男性が思う自然な心「自然体」とは、心のおもむくままに、
本当に感謝の気持ちがあれば自然に言葉が出てくる。
出てこないということは、それも自然体という考え方のようです。

「気づき」があった時、私たちは言動の修正を行おうとします。
ですが、修正をしたいと思っても、今までの癖がなかなか抜けません。
そこで少し意識して修正をしてみます。
この行為は自然体とは言えないと思う人もあれば、
心が欲している行動を意識的に行おうとすることも、自然体と考える人もいるでしょう。

また、飲食店の人がお水を持ってくることは仕事。
当たり前のことをしている人に、いちいち「ありがとう」を言う必要はない、
と思っている人もいるでしょう。

考え方は一人一人違います。
自分が何を信じているかによって、その言動が変わります。

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