接客の壺 接客徒然

担当者とは ~接客者について 社外接客~

ある小売店に行った時のことです。

「本日の特売」と書いてある商品の箱はあるのですが、中には何も入っていません。
ですが、その箱の下のダンボールを叩くと中に入っている感触が伝わってきます。
そこで、
「すみません」と販売員を呼び、
「この商品、もうないでしょうか」と聞きました。

そうすると、
「担当ではないので」と、最初の言葉が返ってきました。

担当ではない人に聞いてはよくなかったということなのでしょうか。
ですが、客としては、誰が担当者かどうかは、わからないのです。

こんなことを言ってしまうと、お客様の反応は、大きく2つに分かれるでしょう。

まず1つは、そんな言葉は無視をして
「この商品ほしいのですが、ないですか」と聞く方がいるのではないでしょうか。
この販売員に腹を立てるよりも、この商品がほしいということのほうが、そのお客様にとっては、優先順位が高いのでしょう。

もう1つの反応は、苦情です。
「誰が担当者かどうかわからない。何だ、その言い方は」などとなります。
こうなると、販売員側は、一気に顔が変わります。

今度は、接客者側の立場から見てみましょう。

『そんなことを聞かれても、担当ではないのでわからない』という気持ちがすぐ出てきて、
「担当ではないので」という言葉を最初に言ったのでしょう。
ある意味、正直に言ったまでなのです。

この後の対応は、接客者によって大きく分けて3つのケースになるのではないでしょうか。

まず、「担当ではない」とは言ったが、言っただけで、すぐに
「担当の者に聞いてきます」と担当者を呼びに行く接客者。

2つ目は、空箱の下に商品が入っていないかどうか確認して、なければ、
「担当の者に聞いてきます」と言う接客者。
箱の中にあれば、いちいち担当者に聞かなくても、すぐ対応出来るということを理解しているタイプです。

そして、「担当ではないのでわかりません」と言って、対応を全くしようとしない接客者。

客側としては、担当者はどうでもよくて、商品があるのかないのかが知りたいだけなのです。
そうなると、箱の下に商品があるかどうかを調べて、あれば、すぐお渡し出来るし、
なければ、バックヤードにあるかどうかを担当者に聞いてくる旨を伝え、
その間少し待っていただくようにするという手順になるのではないでしょうか。

客側の心理をどう理解して、できるだけ早く対応するかが重要です。
こんな場面であっても、お客様の気持ちにどう応えようと思っているかどうかで、
対応が違ってくるように感じます。

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