現場の真実<2>苦情メール   

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「わたしも、店長に叱られる時までは、わたしは仕事が先輩たちよりできるなんて思っていたの。
だって、お客様に褒められることもあったから。
でも、叱られてしばらく経ってから、仕事に対してあまりにも甘い考え方を持っていたような気になってきた」

とその時のことを思い出すように由美は言った。


「変な聞き方だけど、徹って上司から言われた仕事を確実にしているの?」

と健志が聞くと、徹はすぐ反応した。

「何だよ。その言い方。
言われた通りやっているよ。
でも、叱られるからそうではないってことか」

「それって、徹はしていると思っても、上司がして欲しい内容の仕事とは違うんじゃないか」

「何だよ。健志。
そんなこと、当たり前だろ。
指示されたら、その仕事をするのは」

健志は、何かを思い出したように話し始めた。


「俺、以前、上司から、ポスター貼りを頼まれたことがあったんだ。
その時、ポスターぐらい貼れると思って、
「ポスター貼ってください」と言われた時「わかりました」と言って、すぐ貼りにいったんだ。
その後、しばらく経って、その上司に、貼った場所に来るように言われたんだ。

行ってみると、上司が「ポスター貼りをバカにしていたね」て言うんだ。
「いえ、バカにしていません」って言ったら、
「このポスターの貼り方を見たらわかる」なんて、言われちゃって。

その時、何を言われているのか意味がわからず、 「この貼り方は違うんですか。貼るようにと言われたので貼ったのですが」
と言ったら、
「貼るようにとは言ったが、
お客様から見た時、感じの良い、視線に入りやすいように貼ってほしかったな」と言われて。
「そんなこと言われても」なんてぼそぼそと言ったら、
「貼り方わかるかって聞いた時、わかります、と言ったじゃないか。
だから上手に貼ってくれていると思った」なんて言われてね。

その時、ちょっとムッとして上司に聞いたんだ。
「この貼り方のどこに問題があるのでしょうか」と。
上司は生意気な奴と思ったかもしれないけどね。
この際、聞いておかないと、また次回も叱られることになると思って。

そうしたらその上司、こう言ったんだ」

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