現場の真実<2>苦情メール   

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同級生4名が、ある居酒屋に集まった。


沙希がみんなの顔をまじまじ見て言った。、

「社会人らしい顔になっちゃって」

今回の集まるきっかけを作った佐々木徹が応えた。

「何だよ。
お姉さんぶった言い方して」

これに対して、アパレルショップ勤務の宮本由美が言った。

「沙希には、最近あったけど、徹君、たけちゃんに会うのは、ホント、久しぶりね。
沙希が言うように、顔が大人ぽくなった」

「沙希ちゃんも由美ちゃんも変わってきたよ。
表情に自信がついてきたと言うか」

「そう。
沙希は、この前会った時の顔と、また違ってきた感じがするけど。
何かいいことでもあったの」

と由美は沙希に聞いた。

「ううーん、わたし、いろいろ悩んでいて、
たけちゃん、由美と話をして、何となく、ほんとに何となくなんだけど、
仕事の方向性が見えてきたような感じになってきたというか。
言葉に出すとこういう感じなのかもしれないけど、本当にまだよくわかっていないんだ。
ただ何かが違ってきている感じはしている。
2人には感謝」

「なんだよ。
俺のいないところで、話が展開していたんだ」

「何、言ってんの。
連絡したら忙しいって言ってたじゃない」

「あ、そうか。あの時か。
ゴメン、ゴメン。
悩んでいるというよりも、明るい沙希っていう感じだったから。
みんな元気そうでいいなって思ってさ」

「ところで沙希が、徹君から電話があるなんて、何かあるんじゃない、
なんて言っていたけど」

と由美が徹のほうを見た。
徹は、照れくさそうな、それでいて少しこわばったような複雑な表情をした後、
すぐ笑顔に戻り、

「あるって言えばあるかな。
みんなとパーッと飲んで見たくなったので」

「まあ、ひさしぶりに再会の乾杯でもして」

と健志は言った。


乾杯の後、沙希が聞きたくて仕方がない表情をしながら言った。

「ねえ、徹君、何があったの」

「そうよ。
そのために、今日は集まったんだから」

「何かあったって、上司との間でか」

と健志は具体的に聞いてきた。

徹は、健志の顔を一瞬真顔で見た。
そして言った。

「いやさ。
一生懸命仕事してんのに、仕事のやり方が悪いなんて言われちゃって。
自信喪失状態だよ」

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