現場の真実<2>苦情メール   

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『●月●日 
本日、お店に行った者ですが、非常に不愉快な思いをしたのでメールをしました。
席に案内された後、なかなかオーダーを聞きに来てくれません。
仕方がないので、卓上にあるベルを押しました。
席にやってくるまでに3分もかかりました。
やっと来たので「遅いですね」と言うと、無視されました。
席についてから、オーダーするまでに15分も経っていました。

その後、注文した料理がなかなか来ません。
たまたま傍を通った接客者に、「まだですか」と聞いたら、
うっとうしそうな顔をして、
「順番ですから。もう少し待ってください」
と言われてしまいました。
この言い方にあまりに腹が立ったので、帰ろうかと思ったのですが、
作っていたら悪いと思い踏みとどまりました。

結局オーダーから40分後に料理は提供されました。
オーダーを聞いたり料理提供が遅かったりすることは問題ではありますが、
それよりも不愉快な思いをしたのは、対応の酷さです。
いつも利用させていただいていましたが、
こんなに気分の悪い店には、二度と行きたいとは思いません。
非常に残念な思いです。

こんなことをしていると多くの客を失うということを知ってもらいたくメールをしました』

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朝の10時30分、イタリアンレストラン「ブレイク」の朝礼がスタートした。


今日は、調理を担当する3名とホール担当の5名が朝礼に参加している。

杉山は、皆を目の前にして、昨日届いた苦情メールを読み上げた。
そして言った。

「このお客様に心当たりの人はいますか」


誰も返事はしなかった。


店長は、続けて言った。

「ここに書かれている接客者って、誰のことでしょうか。
オーダーを聞きに行った人と、料理はまだですかと聞かれた人は、
違う人か同じ人かはわかりませんが。
今日のメンバーは、昨日のメンバーと一緒なので、
ホール担当の5名の内の誰かだということはわかります」

店長は、全員の顔を見渡した後、

「佐藤さん、心当たりはありませんか?」

と名指しした。

佐藤の表情は、杉山の言葉を聞いた瞬間からこわばった。

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