現場の真実<1> 共に育つ   

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そこで由紀子は、同級生のブティック勤務 山下郁に電話を入れた。

「は〜い、久しぶり。元気?」と由紀は声を掛けた。

「う〜ん、元気よ。本当に久しぶりだね。
そういえば、3か月前に会ったきりか」

「そうだね」

「で、電話を掛けてくるということは、何かあるんでしょ?」
と郁は、少し茶目っ気のある言い方をした。

「え〜、わかるの?」

「わかるわよ。 会おうという時は、すぐ会おうと言うし、
相談事がある時は、何だかもったいぶった言い方になるもの」

「さすが郁だね」

由紀と郁は、声を出して笑った。

「で、何だった?」
と郁は言った。

「あのさあ、唐突な質問なんだけど、飲食店にランチを食べに行く時ってある?」
と由紀は質問を投げかけた。

「もちろん、あるわよ」

「それでね。
料理を食べ終わった時、接客者が、すぐ器を片付けると嫌な感じを受ける?」

「う〜ん、私は別に嫌だとは思わないけど」

「えー、器を下げられると、早く帰っていって、という感じにならない?」

「う〜ん、あまり思わない。
私の行く店って混んでて、食べたら、すぐ帰るし……。

そうそう、そういえば先日、職場の先輩とある店に行ったの。
最近できたお店で、一度行こうということになって。
味は、まあまあだったんだけど、食事の後にコーヒーも注文していたんだけど
食べ終わった器を下げてくれないの。
先輩、これ下げてください、なんてお店の人に声を掛けて、下げてもらってた。
ゆっくりとコーヒーを飲みたいからってね」



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