言葉遣い

日本語が危ない?

●オウム返し

あるテレビ番組で、オウム返しの意味がわからない人がいる、と嘆いていました。
何かを言われて、言い返すという意味だと思っている人もいました。
国語辞典によると、『相手の言葉をそっくりまねて応答すること』とあります。

オウム返しは、接客業において、大変よく使います。

例えば、お客様から
「この〇〇商品をください」
と言われたら、

「〇〇商品でございますね。かしこまりました」
などと、お客様が言われた商品名を繰り返すことで、間違いを起こさないようにするのです。

電話番号を聞く時も「832の」とお客様が言われると、
「832の」とオウム返しすることで、間違いを起こさないようにします。

人と会話する時も「昨日、デパートに行ったの」と言われると、
「そう、デパートに行ったんだ」などと、オウム返しをすることで、
相手の話をしっかりと聞いています、ということを表現します。


オウム返しは、仕事上において、人間関係において、役立つ手法の1つです。





●空いた器、お下げ致します

先日、ある飲食店で食事をしていると、接客者が、
「空いた器、お下げ致します」
と言っていました。

最初、何気なくその言葉を聞いていると、だんだんある現象に気づきました。

それは、お客様が、せっせと接客者に器を渡しているのです。
接客者は、テーブルの側で、
「空いた器お下げ致します」と言うだけで、お客様が器を渡すのを待っています。

飲食店では、よく空いた器を下げる時、
「こちらは、お下げしてよろしいでしょうか」
などと言って、接客者が器を下げます。
ですが、この接客者は、自分から下げようとするのではなく、お客様が器を渡してくれるのを待っているのです。

たぶん最初は、
「こちらは、お下げしてよろしいでしょうか」
などと言っていたのでしょう。
ですが、だんだん
「空いた器 お下げ致します」
という言葉にかわり、お客様が空いた器を渡してくれるのを待つという行動が、
無意識の内に癖になってきたのではないでしょうか。

この接客者の視点に立ってみた時、その理由は、いろいろと考えられます。

「こちらは、お下げしてよろしいでしょうか」
と聞くと、下げてはいけないものがあったりして、
何を下げたらいいのか、下げたら良くないのかがわからない。

それでは、お客様が、下げてほしいものを接客者に渡してもらうのが一番無難、という考え方もできます。

ですが、接客者がお客様の手をわずらわしてしまうことを基本に置くと、
自らが進んで何かをしようとする思考パターンが弱くなってしまうように思うのですが……。


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