心遣い・コミュニケーション

店と客のドラマ

次のようなメールを知り合いからもらいました。
……………
お客さんは小生ひとりだけで、ランチ(鮭のムニエル、刺身など)を頼みました。
帰りがけに店のスタッフから予期しない声掛けをいただき、
なんとなく温かい気分になってその店を後にしました。
若い男性スタッフが出口までついて来てくれて、見送り、私の背中に、
「お仕事大変ですね、頑張って下さい」
と自然な笑顔でねぎらいの言葉を掛けてくれました。(背広にビジネスバッグというスタイルでした)
思わず私も
「おいしかったですよ」
と言って店を出ました。 奥にいた別のスタッフ からも
「お客様のお帰りです」
の声とともに 「ありがとうございました」
のひとこと。 そんな接客をしてくれるような店だとは想像できなかったので、少し得した気分で帰ってきました。
……………

このメールをもらった時、気持ちの良い店ですねと伝えると、次のようなメールがきました。

……………
ふとしたやさしさに感動するのにも、訳があるように感じます。
長男が今春大学に進学し、先月よりひとり暮らしを始めました。
次男も昨年より親元を離れて高校へ進学しているため、今は、家内とふたりきりの生活がスタートしました。

親としてなにかしらうれしくもあり寂しくもあり、という気分で
やや涙腺が緩んでいるのかもしれません。(もちろん歳のせいでもありますが)
……………

店の人は、遅がけのランチで、背広にビジネスバッグというスタイルを見て
「お仕事大変ですね、頑張って下さい」
と思わず声を掛けたのでしょう。
人と人とのふれあいの一瞬です。

この声がけも、客側が普通の状態であれば、ただ感じが良いとだけしか思わなかったかもしれません。
ですが、寂しい気持ちと、仕事の疲れを感じているそういう状態の時、
この一言が、より心に響きます。

客側は、今の気持ちを店の人に語ったわけでもなく、また客自身も、
自分の気持ちに気づいていなかったのかもしれません。

声がけをされたことで、自分の心に気付く、そんな時もあります。
この心の状態にピタッとくる言葉は、気持ちが動かされます。

私たちは、お客さまのドラマの中に、時として出演している、そんなことを感じさせるお便りでした。


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