接客の考え方

相手を思う気持ち

今日は『ユダヤ人大富豪の教え』(大和書房 本田健)という本の一部をご紹介します。

本の一部を抜粋。
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「今日から君は、電気屋さんになることになった」
といたずらっぽい顔で彼は言った。
「え? 今日はセールスの話をしてくれるんじゃなかったでしたっけ?」
とノートとペンを握りしめて僕は言った。
「私は、君にセールスについて教えてあげると言ったのだよ。
テラスで話すのではなく、実地にやったほうがきっと学べるに違いないと思ったのでね」
「それはどうも、ご親切に。でも、一緒に売りに出かけるんですよね?」
と少し不安になって、ゲラー氏にたずねた。
「まさか! 君が一人で売るんだよ」
「え〜! 一人でどうやって売るんですか。僕、セールスなんてしたことありません。
第一、これをいくらで売ればいいんですか?」
「君の好きな金額で売ってかまわないよ。ただし原価は1ドルだから、あとで1000ドルを
 君にもらうことになる。電球がちょうど1000個あるからね。君なりのやり方でこの電球を
 3日以内に売ってきてもらいたい。全部売り切るまでは、この家に帰ってきてはいけない。
 これくらい自力でできないようじゃ、見込みがないからね。では、今からスタートしなさい」
とやや厳しい表情で言った。
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さあ、あなたは、どうして売っていけば良いと思うでしょうか。
一軒一軒ドアのベルを鳴らしながら売り歩こうとするでしょうか。
ですが、買っていただけるのでしょうか。
こういう売り方をしたとしても、1,000個売るには、相当歩き回らなくてはなりません。

この本の続きを見てみましょう。

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そして、思いついたのが、
“あなたの家の電球、無料で私が取り替えます”
というサービスをつけるというアイディアだ。
電球だけを売ろうとしても、なかなか買ってくれる人はいない。
しかし、「電球を取り替えるという面倒な作業をやってほしい」と考えている人たちは、
老人の多いフロリダにはいるはずだと思いついたのだ。

車の中で夜を明かすと、さあ、勝負の時が来たと気合を入れ直した。
僕は、車を老人ホームへ走らせ、警備の目をかいくぐると、
段ボールをもってマンションのベルを押した。
出てきたご婦人に、練りに練ったセールストークを語り始めた。
「僕は日本の学生ですが、ボランティアでいま電球を替えるサービスをしています。
 お宅の電球を無料で替えさせていただきますが、いかがですか?
 代金は、電球分だけでかまいませんから」
ドキドキしながら彼女の反応を待った。

彼女はにっこり微笑んでくれた。
「実はテラスにある電球が高いところにあって替えられないの。
 良かったら替えていただけないかしら」
僕は、彼女の一言に泣きそうになってしまった。
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この続きは、本を見ていただくとしましょう。

セールスも、人の心の中に入っていかなくては、商売チャンスがありません。
売ろう、売ろうと思う前に、いかにお客様の役に立つことはないかを考えます。

接客も、この商品を売ろうと思う前に、
いかに目の前のお客様に、お役に立つことはないかを考えます。
それがお客様に伝わると、目の前のお客様がファンになってくださるのです。

先ほどの続きをもう少し紹介しておきましょう。

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テラスに出ると、天井の高いところに、
取り替えられないまま埃をかぶっている電球を見つけた。
その電球を取り替えると、ついでにもっていたタオルで傘をきれいに拭いてあげた。
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電球を替えるだけではなく、傘まできれいに拭いた、この気持ちがお客様を思う心。
(そう言えば、先日3人で飲食店に行ってお水を頼んだら、1つしか持ってこなかったな〜)

面倒だ、こんなことをやったって、もらう金は一緒、などと思っていたら、
このご婦人は、他の方の紹介はしなかったのではないでしょうか。

接客は、型どおりではなく、その時その時で、相手を思う気持ちを表現することだと、
改めて気付かされる内容でした。


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